ミネラル『亜鉛』は足りていますか?
- 最近疲れやすくなった
- 味が感じにくい
- 傷が治りにくい
- しわやシミが増えた
- 爪が薄くよく割れる
- 肌のハリがなくなった
- 更年期症状がある
- 生殖機能の低下
もし上記で該当する項目がいくつかあった場合、ミネラル『亜鉛』不足が関係しているかもしれません。
亜鉛は体内では生成できないミネラル
亜鉛は、体内に約 2g 存在し、主に骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに分布しています。
300種類以上の酵素の活性化に必要な成分で、ホルモンの合成や分泌の調整、たんぱく質やDNAの合成、免疫反応の調整などに作用し、身体の成長と維持のために重要な栄養素です。
例えば、赤ちゃんが生まれてからすぐの母親の初乳には、成乳の4倍近くの亜鉛が含まれていて機能の発達をサポートするために使われていることからも、その役割の重要性は理解できるかと思います。亜鉛は体内では生成できない必須微量ミネラルのため、食事もしくはサプリメント等から摂取しなければ必要な量を充足させることはできません。
必須ミネラルとは
酸素、炭素、水素、窒素を除く元素のうち、人体にとって栄養素として欠かせないことが分かっているミネラルのことで、16種類あります。体内に含まれる量により『多量ミネラル』と『微量ミネラル』に分かれており、『多量ミネラル』はカルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウムの7種類、『微量ミネラル』は亜鉛の他に鉄・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルトの9種です。
<亜鉛必要量について>
亜鉛の吸収量は、一緒に摂取する他の成分により変動しますが、一般的には約30%と推定されていて吸収率は高くはありません。そういったことを踏まえて日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の摂取推奨量は以下の通りとなっています:
- 18~74歳の男性:11mg
- 75歳以上の男性:10mg
- 18歳以上の女性:8mg
また、亜鉛を摂りすぎることは稀ですが、過剰になると吐き気、嘔吐、下痢などの症状がみられることもあるため、サプリメント等の過剰摂取は注意が必要です。
要注意!亜鉛欠乏に陥りやすい3つのパターン
亜鉛は魚介類や肉類などに多く含まれているため、3食バランスの良い食事を摂ることができていればあまり気にすることはありませんが、日本人の亜鉛の摂取量の平均は9mg、若い女性では6-7mgほどで不足傾向だといわれています。
■摂取量不足
特に不足しがちな傾向として、ダイエット等で食事量が少ない、偏った食事をしている、ベジタリアンやビーガン、妊娠・授乳中の女性、高齢者、特定の病気を持つ人などが挙げられます。
■吸収を阻害
また、摂取推奨量を摂れている場合でも、亜鉛は同時に摂取する食品によって腸からの吸収率が変わります。フィチン酸(米ぬかや小麦などの穀類や豆類に多く含まれる)、シュウ酸(ホウレンソウやタケノコに多く含まれる)、ポリリン酸(加工食品の添加物として含まれる)を過剰に摂取すると亜鉛の吸収が阻害されるため、欠乏しやすいしやすいといわれています。特に、外食や加工食品をよく食べる習慣がある人は亜鉛欠乏の症状に該当するものがないか、確認をしてみてください。
■過剰に排出
アスリートやスポーツ選手、アルコールを過剰に摂取する人は、汗や尿から(亜鉛が)過剰に排出してしまうため、亜鉛不足に陥りやすいことで知られています。
亜鉛欠乏したら起こりやすい症状
味覚障害、貧血、食欲不振、慢性下痢、骨粗鬆症、生殖機能の低下、脱毛、免疫力低下、認知機能障害など、最初に挙げた様にさまざまな症状として表れます。
また、亜鉛が不足すると、皮膚のターンオーバーが上手くいかず皮膚炎を発症しやすくなり、乳幼児ではオムツかぶれ、寝たきりの高齢者では褥瘡ができやすくなるなど、皮膚や組織への症状として表れやすくなります。
亜鉛欠乏を防ぐために
亜鉛不足を防ぐためには、牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豚肉、卵、乳製品、全粒穀物、豆類、種子類、ナッツなど亜鉛を豊富に含んだ食品を摂取することがお勧めです。
亜鉛は体内に貯蔵することができないため、欠食や偏食を防いで3食バランスのよい食事を摂ることで亜鉛を補給しましょう。亜鉛の摂取効率を少しでも上げるために、クエン酸やビタミンC、動物性タンパク質を一緒に摂ることもお勧めです。
様々な代謝活動をサポートしているミネラル『亜鉛』。過不足なく摂ることで新陳代謝を促し、快適に過ごしたいですね!