腸内フローラのバランスの話

人の腸に棲む細菌は、大別すると善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類。善玉菌の99%はビフィズス菌で、乳酸菌はわずかに0.01%。一方、悪玉菌の代表格は大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などで、タンパク質やアミノ酸を分解して便などの悪臭のもとにもなる硫黄化合物やインドール、スカトール、アミンなどを産生します。日和見菌は状況によって善玉菌にも悪玉菌にもなりうる菌で、腸内フローラの大半を占めます。

腸内フローラのバランスを見ると、赤ちゃんの腸内は善玉菌が99%。成人では善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%程度で安定しますが、加齢とともに善玉菌が減少して、悪玉菌が増加。また、食事などさまざまな要因で悪玉菌が増えることがあるため、ビフィズス菌の摂取など、善玉菌を増やして悪玉菌を抑制する努力が求められます。

ちなみに、悪玉菌は”絶対悪”と言うわけではなく、消化・吸収を助けたり免疫機能を高めたりする役割も果しています。10%を超えて悪玉菌が増えすぎると弊害が生まれてしまうために、悪玉菌と呼ばれているのです。